双子座グラフィティ

眠れない夜に謳歌を蒔いてゆく

ハムレットを見たよ

 

 白い肌、桃色の唇、そして狂気。
 個人的に2017年最後の舞台を飾るのがハムレットでよかったです。

 初日が明けました!初日マチネ開演前の劇場はとっても静かでしたけど、厳かなオーケストラの音楽とともに、これから始まる悲劇にふさわしい緊張感でした。
 シェイクスピアなのですが私はストーリーを知らずに臨んだので、まずはネタバレなしで可能な限りの感想を。ほぼ推しのことしか書けませんが、千秋楽終わってから全体を振り返れたらと思います。



 感情にはどれほどの種類があるんだろう。
 怒り、笑い、泣き悲しみ。恨み、悔やみ、嫉妬して。
 思いつく限りの感情を、あらゆる振り幅で見せてくれた王子ハムレット。まっすぐで純粋である一方で、若くて未熟だからこその感情も多くて、それもまた彼の魅力だったように思います。

 って、真面目に書き始めたけど、ハムレットの美の暴力!!!もうね、これだけでもこの舞台を見る価値があると思うよ〜〜〜〜〜!!!
 見て!!!ほしい!!!です!!!!!まずはツイッターでいいので!!!!!!

 自撮りではいつも唇ピンクだなアプリだなと思っていて、むしろ今回の自撮りはそれほどだけど、今回のハムレット王子は本当にピンクだった*1。かつて何かの小説で「肌が白く、それが赤みを強調した」という文章を読んだことがあるけど、そうなの。唇のピンクと、指先の赤みが真っ白なお肌に映えるの。お願いだから生で見てほしい。

 うつくしい王子が悲しみの中、偽りと真実の狂気のはざまで揺れ続ける。その姿を愛でる舞台です!すごく乱暴にまとめてしまいましたが、この熱量と美しさをご覧いただけたらと思います。12月10日まで、六行会ホールです!ハムレットの汗しぶきが見え、香水を感じられるS席は7000円、目線が舞台と同じ高さになる感じのA席なら5000円です!当日券あります、よろしくお願いします!


 ネタバレありの感想を書く前にちょっと余談。
 ソワレから「イケメン通販騎士」のチラシが置いてありました!めっちゃかっこいい!


 しっかりハムレットの宣伝までもしてくださるイケメン通販騎士さんは平成30年1月8日からオンエアです、こちらもどうぞよろしくお願いします!







 それではネタバレありの感想です。文学の教養は一切なく、初日2公演を見ただけなので、間違っているところやおかしいところがあったらごめんなさい!すべて雰囲気です!


 舞台の天井から吊るされた数々の椅子。デジャヴュです。青エクでも吊るされた椅子を見たばっかりだよ〜〜〜!?今回はたくさん、前回は一つだけという違いがあるとはいえ、まさかこの一ヶ月で二度も天井からぶら下がっている椅子を見ることになるとは思いませんでしたw


 最初にざっくりまとめると、ハムレットは、しょーもない叔父に尊敬していた父親を殺され、その叔父に王位も母親も取られ、母親が一月もしないうちに再婚するようなクズだったと知ったら誰だってグレるよねえ、という話です。
 偉大なデンマーク王の息子として伸び伸びすくすく育ったハムレットには、どうしても世の中が許せなかった。なんとしてでも悪事をさばきたかった。
 そのために取った手段は狂気。狂ったふりをしながら、叔父を殺すタイミングをうかがう日々。

 純粋でまっすぐなハムレットは、欲望に堕ちた自分の母親に絶望した。母親とは、ハムレットにとっては女性の象徴、すべての女性。だから、愛する乙女のオフィーリアをもひどい言葉で罵ってしまう。
「尼寺へ行け、さようなら!」
 でも、それは愛の言葉でしかない。尼寺であれば、自分も含めたどんな男性にも汚されることなく生涯を終えられる。母親とは違って。
 あのシーンはすっごく切ないです。どれだけハムレットがオフィーリアを愛していたか、痛いほど伝わるから。


 だけど、それがさらなる悲劇を呼んでしまう。オフィーリアはその罵倒する言葉の裏の愛には気付かず、本当に自分の思い違いであったと信じて、また父親の死と相まって、正気でいられなくなり、結果溺死する。
 敬愛する父親もかわいい妹も失ったレアティーズはクローディアス、いずれハムレットに殺意を抱き、復讐を誓う。


 クローディアスは自らの犯した罪をわかっているからこそ、ハムレットを殺そうとする。罪を償うことはできない、今手にしたものを手放すことはできない、ならば悔い改めればいい!と声高々に宣言しても、結局さらに自らの手を汚す道を選んでしまうし、その結果最愛の妻も殺してしまう。


 パンフレットで亜聖さんも言われていたけど、ゲートルードがもうすこし毅然とした態度を取れる女性であったら、この悲劇は起きなかったんだろうなあ。
 現代人であるところの私は、ゲートルードの気持ちが全然わからないんですよね。ハムレットにあんなに罵られたあとに、平気でクローディアスに泣きついている。恥はないのか、恥は!!!でもまあ、そんな恥があったなら、最初からクローディアスと再婚しないよね……
 にしても、ハムレットの言葉使いはかなりエグいです。売女とか娼婦とか、なんかもうすごい言葉のオンパレードで、それをまた母親にぶつけてしまうのだから、ハムレットってば恐ろしい子。でもそうなんです、恐ろしいくらいにまっすぐで、間違ったことが嫌いで、だからすべてを許せなかった。


 これはあくまで私の感想なので、間違っていたり解釈がおかしかったりしたらごめんなさい。
 いつからか、偽りの狂気は本物の狂気に変わってしまっていたと思うんですよね。それに伴って開いて行くブラウスの乱れ具合にこちらも心が乱れてしまうんですけどまあそれはおいておいて。
 あまりにも激しい怒りや悲しみは、狂気とどう違うんでしょう。お墓の前でオフィーリアの亡骸を見たときのハムレットの様子は演技ではなかったと思う。
 感情とは何か、狂気とは何か。初日の2公演で、そういうことばかり考えていました。



 好きだったシーンやセリフについても書かせてください!

「やっと一人になれた」
 なんの感情もなく、静かにぽつりとつぶやいたハムレット。それまでまとっていた狂気の鎧や悲しみの服を着ることなく、無防備な姿が切ないです。でも、次の瞬間にはまた激しい怒りと悲しみの渦に飲み込まれてしまう。素のハムレットを見られるのは、唯一、この瞬間だけのような気がします。

「元気だ、元気だ、元気だ〜!」
 イ●キかなんかかな?イッケイなんだけどね?
 このセリフ、ぴょんぴょん飛び跳ねながら無理して明るく振舞っているのがものすごく山本一慶だなあ!という感じがしてなんだか好きです。
 そしてそのあとの、幸運の女神様の話でいやらしい感じの話をするのもほんと中高生男子!って感じがして新鮮。下品な話なのに、言動にどこか上品さが残ってるのはさすが人気ある王子だなあとも思います。かわいい。

「おやすみなさい、母上」
 どれだけ恨めしくても、どれだけ悲しくても、ハムレットにとってはただ一人の母親。
 あれほど憎しみをぶつけた直後なのに、いや、もしかしたら憎しみをぶつけたあとだからこそ、どす黒い感情が洗い流されて清らかな表情と声色になったのかもしれません。どれだけハムレットがゲートルードを愛していたか。
 でも、だからこそ、どれだけハムレットは絶望したことか。

「許してくれ、レアティーズ」
 真摯な声、表情、添えられた手。ずるいね!どう考えても許すしかないし、そりゃ国中で人気の王子様だわ、間違いない!

 劇団の芝居を見ているときの姿勢、手、目、くちびる。
 これは本当にやばい。ここだけエンドレスに再生してもいいくらい、最高。
 片膝立てて椅子に座っていて、かなりお行儀は悪いんだけど、そうすることによって自然な様子で叔父を盗み見ることができる。そのときの様子がすごい!
 息を潜めてうかがうように、戸惑いを隠せずに目を見開いて、また進行している劇に目をやって。一方で、不安げに指を噛んだり、顔に手をおいたり、その仕草ひとつひとつと一緒に移り変わる表情がどれも最高。
 確信を得たときのホレーシオとの喜びようはまるで少年のようで、そういうふうに心を許せる存在があの場所で一人でもいたことはハムレットにとっては幸せだったなあと思います。
 いや、ほんと、ホレーシオはこの舞台中の唯一の良心といっても過言ではないからね!?
 墓掘りとのシーンでも、あんなふうに気ままな発言をするハムレットを楽しく笑いながら上手にあやせる人は他にいません。それが演じてるまっつーの人柄にも重なって、とても素敵でした。順番は前後するけど、最後のシーンも真面目なホレーシオだからこそで、彼以外にあの舞台を締められる人はいないと思いましたね。

 サーベルを持ってレアティーズと戦うシーン。
 もうね、サーベルを持った時点で優勝。サーベル持って国王たちに向き合うシーンがあるんだけど、客席に背中を向けるんですよね。そのときの指を是非ごらんください!あんなふうに美しくサーベルを持てる人初めて見た。(あんまりサーベル持ってる人見たことないでしょなどの真っ当なツッコミは大丈夫です。)
 隣のレアティーズのアイルさんも普通にかっこいいんだけどさ、なんだろう、あの手の形は本当に芸術品だと思う!絶対みていただきたいシーンだし、どうにかして後世に残したい姿です……
 もちろん、持っているだけでなく翻す様子もやばい。ひらりとサーベルを扱う姿にため息が出ちゃう。そりゃ王子は国中で大人気だわ(2回目)。


 今年の推しはなぜか死ぬ役が多かったなあ……笑
 中でもハムレットはさすがの悲劇でしたね。ホレーシオの誓いに一瞬満足げな表情をして亡くなるのが唯一の救いかなと思いました。
 まっすぐで正しくありたいと思ったからこその悲劇だけど、それはハムレットが望んだものを手にした結果だから、本人にしてみたら悲劇ではないのかもしれないな。


 だらだら書きましたけど、いつもお世話になっているスマボさんのリンクを貼って締めたいと思います!天井から吊り下がっている椅子の写真もあるよ〜〜〜〜〜!!!(そこ)


 うーん、写真ありがたいけど、言うまでもなく実物にはかなわないよなあ……シェイクスピアだし、難しいこと考えればいくらでも考えられると思うんですけど、ただただ推しの演技の熱量と、美しさを堪能するだけでも大正解な気がします。
 舞台ハムレット、場所は六行会ホールです!12月10日まで!どうぞよろしくお願いします!

*1:口紅かなあ。だとしたら、何つかってるんだろう。ぜったい私には似合わないけど、とりあえず教えてほしい